【人工芝DIYする前に確認してほしい】防草シートはなぜ必要なのか?

最近ではホームセンターやインターネットなどで、人工芝を気軽に購入できるようになり、ご自身で人工芝をDIYされる方が増えてきています。

施工方法や必要な材料もYouTubeなどで検索すれば簡単に見られる中で、「防草シートって敷かないといけないの?」という疑問が多く寄せられます。

そこで今回は、防草シートとは?なぜ防草シートを人工芝の下に敷くのか?また防草シート敷く際の注意点をお話ししていきたいと思います。

そもそも防草シートとは

防草シートとは、太陽光を遮断することによって、雑草の生育を抑制する防草資材です。

 

雑草の成長に必要なのは、光・水・二酸化炭素です。
多くの製品は遮光性が非常に高く、その中のひとつである光を遮断することで雑草の光合成を妨げ、最終的に枯らしていきます。また物理的な強度により、雑草を抑えることもできます。

そのため除草剤などの薬剤を使用する必要が一切なく、安全で安心な雑草対策の資材なのです。

 

性能、耐久年数に深く関わってくるのが防草シートの構造や材質です。

雑草といってもその種類は様々です。葉が柔らかく弱い雑草もあれば、葉の先が鋭く強い雑草、一年で終わる雑草、数年にわたり生息する雑草もあるので、施工する場所の状況に適した防草シートを選定することが重要です。

また、ベランダやバルコニーなど地面がコンクリートの場合は、雑草は発生しないので防草シートは不要です。

構造

防草シートの構造は大きく2種類に分かれます。

 

「織物」タイプ

帯状のフィルムを縦横に編み込んだ黒いブルーシートの様なシートです。

葉の先が丸く柔らかい雑草(ギシギシ、セイタカアワダチソウなど)であれば抑制することができます。

しかし、葉の先が尖った雑草(チガヤ、アシ、笹など)だと、シートの織り目から突き抜けて生えてくることが多くあります。

 

「不織布」タイプ

細い繊維を絡ませ、部分部分をボンディングで結合しているシートです。

葉の先の尖った雑草にはこちらが有効ですが、不織布タイプだからといって、必ずしも雑草が突き抜けてこないわけではありません。

たとえ不織布の防草シートであっても、密度が低く柔らかい防草シートだと、同じように雑草が突き抜けて生えてくることがあります。

 

防草シートを貼る前に、施工する場所に生えている雑草の種類をきちんと確認し、対策したい雑草に合わせて、密度や硬さも見て選ぶことが重要です。

遮光性

遮光率の低いシートでは、防草シート下にある雑草の光合成(雑草の成長)を止めることができません。

一方、遮光率の高い防草シートは光合成を抑制し、シート下の雑草を枯らして、最終的に絶やすことができます。

材質

防草シートの材質、ポリプロピレン・ポリエチレン・ポリエステルが一般的ですが、その材質によって耐用年数に差が出ます。

 

ポリエステル

ポリエステルは、ポリプロピレンやポリエチレンと比較すると、熱や紫外線に強い素材で劣化しにくく、他の素材より耐用年数は長めです。

ただ酸やアルカリには弱いという特性があり、雨水に長い間さらされ続けることで劣化する可能性もあります。また、耐久力に優れていることから価格は高めになります。

 

ポリプロピレン

ポリプロピレンは、熱や紫外線に弱いという特徴があります。

しかし、酸やアルカリに強く、雨水による劣化は少ないです。価格は比較的安いものが多いため、できるだけ費用を抑えて雑草対策をしたい方にはおすすめです。

また、紫外線防止加工が施されているものであれば、一般的なポリプロピレンより耐用年数は長くなります。

 

ポリエチレン

ポリエチレンは、ポリプロピレンと同様にポリエステルよりも熱や紫外線に弱い素材です。合成樹脂の一種で、材料コストが安く、加工が容易という特徴があり、安価で購入できるものが多くあります。

また、低温の環境に強く対候性に優れている素材でもあり、寒さが厳しい環境下でも問題なく利用できます。

なぜ防草シートを人工芝の下に敷くのか

その理由については次のとおりです。

 

・人工芝の下から雑草が生えてしまうから

・雑草で人工芝が凸凹になったり継ぎ目が目立ったりするから

・人工芝に虫がわく可能性があるから

 

それではこちらの3点を詳しくご説明していきます。

人工芝の下から雑草が生えてしまうから

人工芝の芝葉が縫い付けてあるマット自体に防草シートの役割があります。

しかし人工芝には必ず水抜き穴と呼ばれる、排水するための穴が等間隔に空いています。そこから太陽光が入ってきて、雑草が伸びてくる可能性があるのです。

そのため、人工芝を施工する際には必ず防草シートを敷いて、雑草の成長を抑制する必要があるのです。

雑草で人工芝が凸凹になったり継ぎ目が目立ったりするから

人工芝の下から雑草が生えてくると、人工芝全体が押し上げられて、歪んだり凸凹になったりします。

そのままの状態にしてしまうと、継ぎ目が目立ってきて見た目が悪くなってしまったり、凸凹した箇所につまずいて転倒したりケガをするおそれや、芝自体が破損することもあります。

美しい景観のためだけでなく、安全面を保つためにも、防草シートを敷いて雑草対策することが必要です。

人工芝に虫がわく可能性があるから

人工芝の隙間から生えた雑草は虫のエサになるため、虫がわいてしまう原因にも繋がります。

ちなみにですが、「人工芝や防草シートを敷くと虫がわきやすい」というのは間違いです。正しく施工すれば、虫のエサとなる雑草の成長を抑制することができるので、むしろ虫は減っていきます。

虫対策のためにも、防草シートは必ず使用することをおすすめします。

防草シートを敷く際の注意

防草シートを敷く際に注意しないといけないことがあります。

なるべく1枚もので加工することやシワができないようにすることはもちろんですが、特に注意しないといけないのが

・しっかり雑草を抜いておくこと

・隙間を作らないこと

・「縮み」を理解すること

これらについてそれぞれご説明していきます。

しっかり雑草を抜いておくこと

防草シートを敷く前に、しっかりと雑草を抜いておきましょう。

雑草があることで、シートと地面に隙間ができてしまったり、草との摩擦によってシートが傷んでしまうのです。

また、できるかぎり雑草の発生や繁殖をゼロに近づけるため、地面を掘り起こして茎や根も完全に除去し、残さないように徹底して根絶やしにしましょう。根が残っていると防草シートを敷いた後も、根に残った栄養分などから再び雑草が生え育ってしまうことがあります。

強い雑草だと、防草シートを破って出てきてしまう可能性もあるので、敷く前に根ごと除去しておきましょう。

隙間を作らない

雑草は太陽光で成長します。

そのため、防草シートの構造や材質、遮光性に気を遣っていても、隙間が空いてしまっていると意味がありません。

仮に安価な防草シートを使用したとしても、隙間なく敷いていれば雑草の生育は抑制できるのです。

 

「縮み」を理解する

防草シートも人工芝も施工後、数ヶ月のうちに気温や天候の変化により、縮みが生じてしまいます。

薄い防草シートなら問題ありませんが、分厚くしっかりとした防草シートを使用した場合、ハリがありすぎるため、両端から力を加えたように中心部分が盛り上がってトンネルのようになってしまう場合があります。そうなってしまうと人工芝も一緒に盛り上がりトンネルのようになってしまうのです。

特に、冬に積雪が多い地域などで、そのようなトラブルが多く見受けられます。分厚い防草シートを使用する際には注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

防草シートは、日頃の手入れを楽にするのはもちろんですが、正しく施工しないと景観や安全性にまで影響してきます。

構造や材質を考慮して購入するのも重要ですが、何よりも実際に防草シートを敷く際に、地面に光が届かないよう隙間を作らないようにすることが雑草の生育抑制に効果が出るのです。

 

弊社が取り扱っている人工芝のように、密度が高く人工芝を縫い付けてあるマットが二重構造の場合は、光が地面に届くことはほとんどありません。

また、マットを二重にすることによって、光が入りにくくなるだけでなく、芝葉が抜けにくいことや、紫外線による劣化に強くなり、耐久性が飛躍的に上がるといったメリットもあります。

人工芝をご検討されている方だけでなく、雑草にお悩みの方にもぜひ知っていただければ幸いです。

弊社の人工芝サンプルはこちらから無料でお取り寄せください。